2021年開催予定の世界のフェスを日本編、海外編の2本立てでご紹介。第2弾は海外編。昨年に続き今年も日本からの参戦は難しい状況ではあるが、各国様々な対策を講じ開催が決定しているフェスも多い。海外アーティストたちがどんなフェスに出演しているのか? そして配信事情など、現地に行けなくても楽しめる海外フェス情報をお届け。各フェスの見どころなど、詳しくみていこう。

1. PARKLIFE

タイトルはブラーのヒット曲が由来の、英国マンチェスターの都市型フェス<PARKLIFE>。2010年、ラショルムのプラット・フィールド・パークにて<Mad Ferret Festival>という名でスタートしたが、参加者の増加に伴い2013年にマンチェスター北部のヒートン・パークに移転した。昨年はタイラー・ザ・クリエーターやチャーリーXCX、カリードらが参加予定だったが新型コロナウイルスの感染拡大により中止。今年は15,000人のキャパシティだった2019年よりもさらに増え、80,000人の収容を予定しているという。

2020年にヘッドライナーを務める予定だったスケプタの他、ヘッドライナーとしてディスクロージャーやダベイビー、スロウタイ、メーガン・ザ・スタリオンらクラブミュージック系のアーティストの参加が決定している。

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PARKLIFE 2021

BonnarooやAustin City Limits、PARKLIFEなど|2021年開催予定の海外音楽フェス6選

2021.09.11(土)、12(日)
© 2021 PARKLIFE

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2. Bonnaroo Music and Arts Festival

米国テネシー州の広大な農場「Great Stage Park」にて毎年6月中旬に開催されている野外ロックフェスティバル。ニューオリンズのレジェンド、ドクター・ジョンが1974年にリリースしたアルバム・タイトルから名前を拝借したことからも分かるように、初開催された2002年はジャムバンドを中心としたルーツ・ミュージックがメインのフェスだった。が、次第にジャンルの幅を広げていき、現在では<Coachella Valley Music and Arts Festival>や<Lollapalooza>と並ぶ、アメリカ最大級の音楽祭へと成長した。

昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により中止を余儀なくされたが、今年はヘッドライナーにフー・ファイターズやリゾ、ラナ・デル・レイ、タイラー・ザ・クリエイター、テーム・インパラ、メーガン・ザ・スタリオンなどビッグネームが並んでおり、初日にはスペシャル・ゲストを迎えたグランド・オール・オプリ(カントリー・ミュージックの公開ライブ放送のラジオ番組)のショーケースも開催される予定だという。

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Bonnaroo Music & Arts Festival 2021

BonnarooやAustin City Limits、PARKLIFEなど|2021年開催予定の海外音楽フェス6選

2021.09.02(木)〜05(日)

© Bonnaroo

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3. Amsterdam Dance Event(ADE)

毎年10月中旬、アムステルダムで5日間にわたって繰り広げられるフェスティバル。日中のカンファレンスプログラムに加え、市内にあるクラブやライブスペースなどおよそ200ヶ所で1000以上のイベントを開催。さらに土曜の夜は、ヨハン・クルイフ・アリーナにて<Amsterdam Music Festival>が開かれる。この大規模なサーキット型イベントには毎年のべ2,500人のアーティストが参加、コロナ禍になる以前は世界中から40万人以上の人々が集まっていた。

今年、オランダではワクチン接種が迅速に進んでいることや、試験的に開催されたイベントの結果を鑑みて、10月13日~17日に開催されることが発表された。<Amsterdam Music Festival>にはアフロジャックやデヴィッド・ゲッタ、ニッキー・ロメロらレジェンド級のDJが並んでいる。なお、当日の模様はオンライン配信されるので、気になる人は要チェック。

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Amsterdam Dance Event 2021

BonnarooやAustin City Limits、PARKLIFEなど|2021年開催予定の海外音楽フェス6選

2021.10.13(水)〜10.17(月)

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4. Pitchfork Music Festival

米国の音楽メディア「ピッチフォーク」が主催し、シカゴのユニオン・パークで毎年3日間に渡って開催されている都市型フェスの代表。オルタナティヴ・ロックやヒップホップ 、R&B、エレクトロ・ミュージックなどを中心に組まれたタイムテーブルに、ハードコア・パンクやヘヴィメタル、ジャズのアーティストもフィーチャーされているところがいかにもピッチフォークらしい。

昨年は新型コロナウイルスの感染拡大により開催が見送られたが、今年はセイント・ヴィンセント、エリカ・バドゥ、フィービー・ブリジャーズをヘッドライナーに迎え、他にもビッグ・シーフやサンダーキャット、フライング・ロータス、ジャミラ・ウッズ、タイ・セガール&フリーダム・バンドなど一筋縄ではいかない個性的なアーティストの参加が予定されている。

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Pitchfork Music Festival 2021

BonnarooやAustin City Limits、PARKLIFEなど|2021年開催予定の海外音楽フェス6選

2021.09.10(金)、09.11(土)

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5. Austin City Limits Music Festival 2021

米国テキサス州はオースティンのジルカー・パークにて、毎年10月の6日間開催される野外ロックフェス。元々は公共ネットワークであるPBSが放送している番組『オースティン・シティ・リミッツ』の特別イベントとして2002年に開催されたのが始まりで、当初2日間の開催だったのが翌年には3日間に拡大。2013年以降は10月第1週と第2週の週末分割6日間開催に変更となり、期間中は45万人を動員する大規模フェスへと成長した。

昨年はコロナ禍により開催中止となったが、今年はジルカー・パーク内の8つのステージでライヴ・パフォーマンスが繰り広げられる予定。ビリー・アイリッシュをヘッドライナーに迎えるほか、エリカ・バドゥやドージャ・キャット、セイント・ヴィンセントら地元テキサス出身のアーティストが20組以上出演することが決まっており、当日は大きな盛り上がりを見せることは必至だ。

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Austin City Limits Music Festival 2021

BonnarooやAustin City Limits、PARKLIFEなど|2021年開催予定の海外音楽フェス6選

2021.10.01(金)〜03(日)
2021.10.08(金)〜10(日)

© ACL Music Festival

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6. Iceland Airwaves 2021

シガー・ロスやビョーク、ヨハン・ヨハンソンなど偉大なアーティストを多数輩出している小さな島国アイスランド。その壮大かつ美しい音楽を4日間にわたって堪能できるのが、首都レイキャヴィックで毎年11月に開催されている音楽フェス<Iceland Airwaves>だ。昨年はアウスゲイルやヒャルタリン、オブ・モンスターズ・アンド・メンなど日本でも人気の高いアーティストが多数参加、年に一度の祭典を盛り上げた。

今年は11月13日、14日に開催される<Iceland Airwaves>にも、去年に引き続きアウスゲイルやヒャルタリン、オーラヴル・アルナルズなどの出演が決まっている。ここ日本では、ライブ配信イベント<ICELAND AIRWAVES -LIVE FROM REYKJAVIK- PART 1>をZAIKOにて配信することが決定。アイスランドの「今」を自宅でも楽しむことができる。

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Iceland Airwaves 2021

BonnarooやAustin City Limits、PARKLIFEなど|2021年開催予定の海外音楽フェス6選

2021.11.03(水)〜11.06(土)

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今年はすでに<Blue Note Jazz Festival>が、NYの老舗「ブルーノート・ジャズ・クラブ」の営業再開を記念して6月15日よりスタート。ロバート・グラスパーがその喜びを日本のファンに向けてもSNSで発信していた。なお、このフェスは8月15日まで続く予定となっている。また英国レスターシャーのドニントン・パークでは6月18日から3日間、政府の研究プログラムの一環として、従来の10分の1となる1万人にキャパを抑えて<Download Festival>が開催。参加者は参加前と参加後の検査が必須だったが、モッシュなども許可されその楽しげな様子が伝えらえた。

一方、残念ながら中止・延期が発表されたのは、米国の<Electric Forest>や、ベルギーで開催される世界最大級のフェス<Tomorrowland>など。〈Tomorrowland〉は昨年に引き続き、デジタル音楽フェスとして開催されることが発表されている。

新型コロナワクチンの接種が日本よりも一歩先んじていた欧米諸国では、次々と大規模フェスの開催が決定、すでに成功を収めているものも多い。が、その一方で新たな変異株の感染がイギリスなどで広がっており、まだまだ余談の許さない状況が続いている。私たちが海外フェスを直接見に行くことができるのは、おそらく来年以降になるだろう。歯痒い状況が続くが、配信動画などをこまめにチェックしつつ、来年こそ渡航できることを祈るしかない。

Words:Takanori Kuroda
Main Photo:Nathan Zucker(via Bonnaroo Music & Arts Festival 2021

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